2018年、略奪された体の一部が混在しているように見える「エイリアン」のミイラの話

オーウェン・ジャルス著 
2018年3月17日
https://www.livescience.com/62045-alien-mummies-explained.html

今週、ペルーで発見された
5体のミイラのような遺体のうち、
3本指の手を持つものについての報道と
奇妙な画像から、そのミイラは人間ではなく
・・・宇宙人ではないかと主張する者が現れた。

明らかに、彼らはエイリアンではない。
それにしても、どうなのだろう?
本物のミイラなのだろうか?

ライブ・サイエンス誌は、
これらのミイラのいくつかは、
本物の人間のミイラのパーツを略奪し、
加工したものである
可能性があることを発見した。

カナダのロンドンにある
ウェスタン・オンタリオ大学の
アンドリュー・ネルソン教授(人類学)は、
「典型的なナスカのミイラのようです。
(ナスカ族はペルーの古代文化で、ミイラを織物で束ね、ナスカの線と呼ばれる広大な地形図を作った)

グロテスクなことに、このミイラに見られる手と足、
そしておそらく他のミイラも、
贋作者によって加工された本物の人間の
ミイラの一部である可能性がある。」と非難した。

他の多くの研究者も、これらの偽物を作るために

本物の人間のミイラの部品が使われたと考えている。

十数人のペルーのミイラ研究者たちは、このやり方は

「多くの国内および国際的な規範に違反している。」

と非難する声明を発表した。

この声明に署名した研究者の一人は、
Live Scienceの取材に対し、
「亡くなった人間の体を
人間性を失わせるようなことをする人がいることに、
私は特に反感を覚えます。
人間から人間らしさを奪うことはできません!」
とペルー大学カエタノ・エレディア校の
法医学教授グイド・ロンバルディは語った。

ホセ・ハイメ・マウサン・フロタによると、
このミイラを研究している研究者たちと
ともに働いているジャーナリストで、
チームのメンバーはマリオに
未公開の金額を支払い、
ミイラを見たり、サンプルを採取したり、
X線検査やCTスキャンを行ったりしている。

 

https://www.livescience.com/58313-photos-mummies-peru-egypt/3.html

[写真:ペルーとエジプトの驚くべきミイラ]

ナスカで略奪

このミイラは、古代ナスカ文化が栄えた
ナスカ地方で2015年に墓荒らしによって
発見されたとされている。
インカリ・クスコ研究所の
ティエリー・ジャミン代表は、
「このミイラはパルパ市から来た
『フアケロス』
(考古学的トレジャーハンター)の
一団によってもたらされた」と語った。
ジャミンはミイラの研究に携わっており、
この略奪グループのトップを
マリオと呼んでいる。

「マリオはトレジャー・ハンターです。
彼は不良で、ナスカ地方の警察には
よく知られている。彼のグループは、
20年以上もペルー沿岸の遺跡を略奪している。
そして、司法は彼を止めようとはしないのです」
とジャミンは言い、
マリオの活動について
ペルー文化省に知らせたが、
文化省からは何の返答もなかったと主張した。
文化省の職員はLive Scienceからの
コメント要請に返答しなかった。

謎の研究者

gaia.comとthe-alien-project.comというサイトに、
ミイラの調査映像が掲載されている。
ミイラを研究しているグループの
主任研究者である
コンスタンチン・コロトコフという男性は、
最近ロシアのテレビ局『Mir 24』の
インタビューにロシア語で答えた。
ニュースサイト『RT』
(旧『ロシア・トゥデイ』)によれば、
コロトコフ氏は、ミイラには(人間と同じように)
23対の染色体があるが、
その解剖学的構造は人間ではないと語ったという。
「彼ら(のミイラ)は地球外生命体か
バイオロボットかもしれない」
とRTはコロトコフの発言を引用している。
gaia.comのビデオでコロトコフ氏は、
放射性炭素年代測定の結果、ミイラのひとつ
(ネルソン氏がナスカのミイラの
一部を使って作られたように見える
と言うものと同じもの)は、
ナスカ文化が栄えた1700年ほど
前のものだと主張している。

コロトコフはコメントを求めても返答せず、
gaia.comが彼が所属していると主張する大学
(ロシアのサンクトペテルブルク大学)には、
彼の記録がオンライン上にない。
同大学の関係者はコメントを求めても返答しなかった。

コロトコフの所属先として
メディアで紹介されているもう一つの大学
サンクトペテルブルク国立研究大学)も
存在しないようだ。

サンクトペテルブルクには
国立研究大学高等経済学部があるが、
この大学のウェブサイトにもコロトコフの名前はなく、
同大学の関係者はコメントの要請に答えていない。
コロトコフの個人サイトでは、
"人間の光 "を検出できると主張する
バイオウェルという製品を販売している。
彼のウェブサイトには、
ロシアのサンクトペテルブルグ大学の
教授であることも、
サンクトペテルブルグにある
国立研究大学の教授であることも書かれていない。


ミイラ取りがミイラに

3本指のミイラは明らかに偽物のようだが、
科学者たちはペルーで
数多くのミイラ化した遺体を発見しており、
そのうちの171体はテナハハ遺跡の近くで
発掘された墓から発見されたもので、
約1200年前のものである。

https://www.livescience.com/50413-tenahaha-mummies-photos.html

[写真:ペルーで発見された数百体のミイラ]

ペルーのミイラは科学者によって
発見されたものもあるが、
この "エイリアン "を作るのに
使われたと思われるミイラなどは
略奪者によって盗まれており、
彼らは考古学者が科学的に発掘する前に
ペルーの古代の墓を物色することで知られている。
アメリカは略奪の流れを食い止めようと、
ペルーからの遺物の輸入を制限している。

マリオとその一味はまだ
墳墓を略奪しているかもしれないが、
状況は改善されてきている、
ペンシルバニア大学考古学人類学博物館の
顧問学者であるアン・ピーターズは言う。

「遺跡の保護は、
環境と遺産への影響調査の法的要件の確立、
文化省の設立、
より多くの専門的な考古学者の雇用によって、
ここ10年で大きく改善されました。」
とピーターズ氏は言う。
「しかし、一部の略奪者や
古美術品の密売人は、ペルーだけでなく、
アメリカや他の国にも存在している。」


オーウェン・ジャルス
ライブサイエンス寄稿者
Owen JarusはLive Scienceの常連寄稿者で、
考古学と人類の過去について執筆している。
英国インディペンデント紙、
カナダ・プレス紙、AP通信などにも寄稿。
トロント大学で学士号、ライアソン大学でジャーナリズムの学位を取得。