エリドゥ:シュメール人のエデンの園と世界最古の都市?

2018/08/11  呉明仁

https://www.ancient-origins.net/ancient-places-asia/eridu-0010528

今日、エリドゥはメソポタミアで、
そしておそらく世界で最も古い
恒久的な居住地のひとつであると
考えられることが多い。

古代シュメール人は、
エリドゥが世界で
最初の都市であると信じており、
その信仰をシュメール王リストと
エリドゥ創世記に記録しています。

少なくとも18層の集落が見つかっていますが、
古代シュメール人の信仰は
あり得るのでしょうか?

考古学的な証拠から、
最も古い建造物は
紀元前6千年紀のものであることが
判明しています。

都市は紀元前4千年紀に最盛期を迎え、
紀元前7世紀頃まで人が住んでいた。

しかし、その頃には、
都市の重要性は失われていました。

イラクナシリヤの南西にあるエリドゥのシュメール帝国のジッグラト建設に使われた焼きレンガの一部には、ウル=ナンムー王(紀元前2123〜2106年)の名前が刻印されています。(David Stanley/ CC BY 2.0 )

18層からなるテル

エリドゥ
(現在のテル・アブ・シャハレーン)は、
有名な都市ウルの南西約20km
(12.5マイル)に位置しています。

その現代的な名前が示すように、
この遺跡はテルであり、
数千年の間に、以前の遺跡の上に
新しい集落が建設された結果、
形成された巨大なマウンドである。

発掘調査によると、
テルには7メートル(23フィート)
の高さがあり、
18層の居住層が形成されています。

その大部分は、
紀元前6世紀から4世紀にかけて続いた
ウバイド時代とウルク時代のものとされています。

2011年のエリドゥの遺跡。(Ltybcc1/ CC BY SA 3.0 )

エリドゥの古さについては、
古代シュメール人自身も言及している。

たとえば『シュメール王統記』には、
「王権が天から降りてきた後、
王権はエリドゥグにあった」
と記されている。また、
「エリドゥ創世記」と呼ばれる創世神話では、
大洪水以前に存在した
5つの都市のうちの1つであったとされている
(他の都市はバッド・ティビラ、ララク、シッパル、スルパク)

エリドゥ神殿の神

エリドゥの守護神は、
水の神エンキ
アッカド語ではイーアとも呼ばれる)
である。
シュメール神話によると、
この都市はエンキによって築かれ、
この都市から他の土地に
文明が広まったとされています。

エンキは当初は地元の神だったが、
都市の影響力が増すにつれて重要性を増し、
結果的に他の都市のパンテオン
組み込まれることになった。

エリドゥでは、
エンキの神殿はE-Abzu
(Abzu・アブズは「深海」と訳されることもあり、すべての生命の始まりとされる地下の泉を指す)
として知られています。

エリドゥ墳丘の大まかな地図。
ジッグラト、神殿、いくつかの建物を示す。
(Cush/ CC BY SA 3.0 )

エ・アブズの考古学的発掘調査によって、
神殿は、学者によって
「カルト・ニッチ」と「供物台」
と呼ばれるものを含む小さな部屋から
始まったことが明らかになりました。

しかし、数千年の間に、
住民は古い神殿の跡に新しい神殿を建て、
それぞれをより大きくした。

やがてエ・アブズは、
エンキの主要な神としての地位を反映した、
大きなジッグラトとなった。

エ・アブズは、
古代メソポタミアのジッグラトの中で
最大のものであった可能性が指摘されています。

経済活動

エ・アブズはこの遺跡の考古学の
中心的な存在ですが、
興味深い要素もあります。

例えば、最近の発掘調査によって、
ウバイド時代には陶器生産の
中心地であったことが明らかになっています。

これは、陶器の破片や
窯の廃材が大量に散乱していた
陶器作品に表れています。

さらに、漁網や錘、
葦船の模型なども出土しており、
漁業が住民の主要な経済活動であった
ことがうかがえる。

ウルの王アマル・シン
(Amar-Suen、以前はBur-Sinと誤読されていた)の刻印がある。紀元前2100〜2000年。イラクメソポタミア南部のエリドゥ(現在のテル・アブ・シャハレーン)出土。現在、ロンドンの大英博物館に所蔵されている。(Osama Shukir Muhammed Amin FRCP(Glasg)/ CC BY SA 4.0 )

エリドゥは、ウバイド時代の
メソポタミア南部の支配的な都市であったが、
やがてウルクに取って代わられた。
しかし、エリドゥは
最初の都市として崇められ続け、
エ・アブズのおかげで宗教的な意義が保たれた。

紀元前3千年紀末のエリドゥの衰退は、
生態系の変化、
すなわち湾岸部の後退と水位が
ますます不安定になったことが
原因であると考えられている。

紀元前7世紀頃までは
人が住み続けていたが、
その頃にはかつての栄華は
見る影もなくなっていた。

エリドゥは
イラク南部のアフワール」

生物多様性メソポタミア都市の遺跡景観の保護区」の一部として、
2016年にユネスコ世界遺産に登録されました。