トルコのハタイで3800年前のアッカド語の楔形文字タブレットが発見される

レマン・アルトゥンタシュ 著
2023年8月11日
https://arkeonews.net/3800-years-old-akkadian-cuneiform-tablet-found-in-turkeys-hatay/

トルコ南部のハタイ市
レイハンル地区にあるアララクの旧市街、
アチャナ墳墓で行われた考古学的発掘調査で、
3800年前のアッカド語楔形文字が発見された。

アララクのアチャナ墳は、
紀元前2千年紀のムキシュ王国の首都で、
現在のアンタキヤに近い
ハタイ市のアムク渓谷に位置していた。

アララクは古代世界で
最も有名な都市のひとつで、
青銅器時代中期にはより大きな
ヤムハド王国の一部、
青銅器時代後期にはミタンニ王国の臣下、
紀元前14世紀末にはヒッタイト帝国に編入された。

2月6日のカフラマンマラシュを震源とする地震は、
市内に大きな破壊をもたらしたが、
中・後期青銅器時代
ムシュキ王国の首都アララがあった
レイハンル地区の墳丘にも影響を与えた。

文化観光省の指導の下、
地震後に宮殿の壁の一部が破損した
マウンドの修復と保存作業が開始された。

発掘調査の責任者であり、
ハタイ・ムスタファ・ケマル大学の
学者であるムラト・アカル氏は、
国営アナドル通信に、この石版の特徴は、
当事者や証人に関する情報からなる
都市の売買契約である、と語った。

研究の一環として壁の瓦礫を取り除いたところ、
研究チームは遺跡の中から
楔形文字の粘土板を発見した。

アッカド語の石版を初めて調べたところ、
アララクの最初の王として知られる
ヤリム・リムが別の都市を購入する
契約を結んだという情報が見つかった。

アカル氏は、3800年前の遺跡から発見された
石版は保存状態が良いことを強調した。
「墳丘の崩れた壁の残骸を
いくつか取り除いているときに、
一度も触られたことも、
傷つけられたこともない石版に出くわしたのは、
とても興奮しました。」と彼は語った。

アカル氏は続けて、
この石版の歴史的な時代は
青銅器時代中期までさかのぼると述べた。
青銅器時代中期は、
この地域の王たちが経済力を持っていた時代です。

このことは、文書に記録された
驚くべき例によって証明されている。
この石版には、アララク
最初の王として知られるヤリム・リムが、
別の都市を購入することを意図し、
そのために契約を結んだことが記されている。

これは実際に、この地域の王たちが
別の都市を獲得する経済力と
潜在力を持っていたことを示しています。」
と彼は語った。

アカル准教授は、
このタブレットは時代の経済構造の理解にも
貢献するだろうと指摘し、次のように述べた、

「この石版には、
この売買に立ち会った市内の
重要人物の名前が記されている可能性が高い。
いわば、当時の立会人名簿の証拠である。」

この遺物は、特にこの時代の経済構造、
都市関係、経済・政治モデルを理解する上で、
非常にユニークな例として浮かび上がってきた。


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