オーストラリアのアボリジニに伝わる虹蛇の図象と伝説

https://www.nms.ac.uk/explore-our-collections/stories/global-arts-cultures-and-design/mythical-creatures/mythical-creatures/australias-rainbow-serpent/

レインボー・サーペント(虹蛇)は、
オーストラリアの多くのアボリジニの神話、
宗教、儀式に登場する。

レインボー・サーペントには
多くの呼び名があり、
それに関する考え方もさまざまだ。

ミミとレインボー・サーペント

ミミと虹の蛇、ピーター・マラルワンガ作、1980年。

ピーター・マラルワンガは
虹の蛇をミミの精霊と一緒に描いた。

古くからの伝統

強力な不滅の創造的存在である虹蛇は、
雨と水、豊穣と食物、
そして共同体の繁栄と関連している。

レインボー・サーペントの最古の表現は
岩絵の中に見られ、
関連する宗教的信仰は少なくとも
6000年前のものである。

知られている最大のものは、
アーネム・ランド西部の洞窟壁画である。
体長6メートル以上、
大きな竜のような頭と恐ろしい歯を持つ、
強大な生き物が描かれている。

砂漠にて

中央オーストラリアと西部砂漠では、
レインボーサーペントは水飲み場の下に住み、
水飲み場の間を
行き来していると信じられている。

祖先の旅の間に、彼らは
聖地や景観の多くの特徴を作り出した。
蛇は再生する雨をもたらすが、
敬意を払わないと干ばつや
壊滅的な洪水を引き起こすこともある。

パワーと変革

西部アーネム・ランドでは、
クンウィン・ジュク族は
「虹」という言葉を、
神話上の創造の母であるインガルナと
その子供たちを表すのに使っている。


インガルナは、動物や人間を含む
数多くの祖先の存在を産んだ。

インガルナとその子供たちは皆、
変幻自在の力を持ち、
さまざまな姿をとることができる。

ガリョドとその妹のンガルクンブリヤイミは、
それぞれニシキヘビの体と
ワニのような頭を持っており、
カンガルーやバッファローなどの
動物の頭に変身できると考えられている。

彼女の息子ンガリョドは聖地を作り、
モンスーンの雨に関連している。
ガリョドは空に昇ると虹のように見える。

儀式

葬儀の儀式(ロルコン)では、
故人の骨は中空の丸太の棺に納められ、
この棺は虹蛇インガルナと同一視される。
インガルナは死者の霊を「飲み込む」。

その後、少年たちが男性に変身する
イニシエーション・セレモニーで、
彼女は死者の霊を再び解放する。
この時点で、生命のサイクルが
再び始まるのである。

レインボーサーペントの伝説のひとつ

https://www.aboriginal-art-australia.com/aboriginal-art-library/rainbow-serpent/

ドリームタイムの始まり、
大地は平らで乾いて何もなかった。
木も川も動物も草もなかった。
乾いた平らな大地だった。

ある日、虹の蛇ゴオリアラが眠りから覚め、
自分の部族を探しに旅立った。
東から西へ、北から南へと
オーストラリアを横断し、
立ち止まっては部族の姿を探した。
乾燥した平らなオーストラリアを
くまなく探したが、何も見つからなかった。
長い間探した後、疲れて横になった。

しかし、彼が眠るために横たわった土地は、
彼が仲間を探しに出かけた土地とは違っていた。
仲間を探しながら、
彼の大きく長い体は大地に大きな溝を刻んだ。

ゴオリアラは砂の上にひとり横たわり、
この世にもっと多くの
生命を生み出そうと決心した。
「カエルたちよ、出てこい!」と呼ぶと、
カエルたちは蓄えた水を
腹いっぱい抱えて地面から上がってきた。

彼はカエルをくすぐり、
カエルの口から水が溢れ出し、
大地の溝を満たした。

この溝が、今日私たちが目にする
川や小川を作ったのである。

水が大地を流れるにつれて、
草や木が生え始め、大地を彩り始めた。

食べる草と飲む水ができたので、
ゴオリアラは動物たちを起こした。
カワセミは笑い、ゴアンナは歩き、
ウォンバットは巣穴から出た。

ある動物は海に住み、
泳いで進んだり戻ったりした。
ある動物は空に住み、
友だちと一緒に遠いところへ飛んでいった。

陸で砂を掘って遊ぶ動物もいた。
彼らは幸せで、
自分たちの部族に持ち帰るために
食べ物や水を集めた。

虹の蛇は、すべての動物が
従わなければならないルールを作った。

ルールに従った動物たちは
人間になることで報われる。
ルールに従わない動物は罰せられる。

ある動物はルールに従い、
人間になることで報われた。
ルールに従わない動物たちは、
山を作る石に変えられた。

ある日、雨が降り始めた。
今までに降ったことのないような雨だった。
雨は何日も何日も降り続き、
世界は水浸しになっていった。
二人の若者、ビルビル(虹色のロリキート)
兄弟は雨宿りをする場所がなく、
虹の蛇のところへやって来た。
彼らは雨宿りの助けを求めた。

虹の大蛇は空腹で、若者たちをだました。
「そこなら雨もしのげるだろう。」
若者たちはゴオリアラの口に入り、
ゴオリアラは口を閉じて二人を飲み込んだ。

彼はすぐに、若者たちが
行方不明になっていることに気づいた人々が
探しに来るだろうと悟った。

そして、彼らの足跡が
自分の口に続いていることを知った。
彼は捕まりたくなかったので、
安全だとわかっている唯一の場所、
空に隠れることにした。

彼は追いかけてくる人々から離れて空に隠れ、
この二人の若者を失った
彼らの悲しみを見た。
二人を再び幸せにしようと決めた彼は、
自分の体を美しい色の大きな弧に変えた。

今、雨が降るたびに、
レインボー・サーペントが、
レインボー・ロリキートの兄弟たちを
奪ってしまったことへのお詫びとして、
その美しい色を地上の人々に
分け与えるのを見ることができる。

 

メキシコ:世界最大の体積を誇りながらメジャーになれないチョルーラ大ピラミッド

かつては平凡な場所に隠され、驚くほど無視されていた:チョルーラの大ピラミッド

2015年12月9日 Dhwty

https://www.ancient-origins.net/ancient-places-americas/once-hidden-plain-sight-and-surprisingly-ignored-great-pyramid-cholula-020650

メソアメリカには数多くのピラミッドがある。
これらのピラミッドの中には、
非常に有名なものもあれば、
もっと無名のものもある。
世界最大のピラミッドとしてギネスブック
認定されているにもかかわらず、
あまり知られていないピラミッドのひとつが
チョルーラの大ピラミッドだ。

ここで触れておきたいのは、
チョルーラの大ピラミッド
(実際には神殿として機能していた)は、
その体積において世界最大の
ピラミッドであるということだ。

チョルーラのピラミッドの容積は
445万立方メートル(1億5720万立方フィート)
と推定されている。
これに対し、ギザの大ピラミッドは、
高さはチョルーラの大ピラミッドの
約2.5倍だが、体積は250万立方メートル
(8,830万立方フィート)である。

チョルーラの大ピラミッドの位置と構造

チョルーラの大ピラミッドは、
現代のメキシコで4番目に大きな都市
プエブラの郊外にある。
このピラミッドは、
メソアメリカのパンテオンの中で
最も重要な神々の一人である
ケツァルコアトルに捧げられたもので、
コロンブス以前の時代、
チョルーラは大都市であり、
メキシコ高地の宗教的中心地であった。

チョルーラの都市と大ピラミッドの模型。メキシコ、プエブラ、チョルーラ博物館。( cc by sa 4.0 )

チョルーラの大ピラミッドは、
近くにあるポポカテペトルという
火山を鎮めるために造られた
とも推測されている。

これは、その火山山の輪郭が
大ピラミッドの形に反映されていることと、
ピラミッドの別名である
トラチフアルテペトル
(「人工の丘」を意味する)が由来している。

神殿の建設は紀元前2世紀に始まり、
いくつかの段階を経て最終的な形になった。
チョルーラ最古のピラミッドは、
チョルーラの北西約100km
(62.1マイル)にある、
もうひとつの宗教的に重要な
メソアメリカの都市、
テオティワカンのピラミッドと
同時期に建設されたと考えられている。

チョルーラとテオティワカン
類似した特徴から、
両者が姉妹都市であったことが
示唆されている。
何世紀にもわたり、
チョルーラの大ピラミッドは、
建設者たちによって増築されながら
「成長」していった。

全盛期のチョルーラの大ピラミッドの想像図。 
( パブリック・ドメイン )

崩壊するチョルーラの大ピラミッド

西暦600年頃、チョルーラは
オルメカ=キシカランカ族に征服され、
彼らは街のピラミッドも増築した。
しかし、西暦1100年頃、
都市はトルテック=チチメカの手に落ちた。
トルテック=チチメカ族が
チョルーラを占領したとき、
大ピラミッドはすでに大部分が
地中に沈んでおり、
草木が一面に生い茂っていたと言われている。

チョルーラの大ピラミッドの祭壇跡。発掘された際、首を切られた子供の奇形頭蓋骨が2つあることが判明した。( Justin Ames )

トルテック=チチメカ族は、
この古代の神殿を取り戻すのではなく、
そのままにしておき、
代わりに新しい神殿の建設に
力を入れることにした。
トルテック=チチメカ族の支配のもと、
チョルーラの町は繁栄し、
拡大するアステカ帝国を前に、
しばらくの間独立を維持することもできた。

メキシコ、プエブラのチョルーラの大ピラミッドの発掘された部分。(Diego Delso/ CC BY SA 3.0 )

とはいえ、チョルーラは
最終的にアステカに征服され、
その後スペインの手に落ちた。

1519年、
スペインの征服者エルナン・コルテスは、
当時メキシコ第二の都市であった
チョルーラに到着した。

その前のトルテック=チチメカと同様、
アステカはチョルーラの
大ピラミッドを修復しなかった。
その結果、スペイン人が到着したとき、
彼らはこれが
人工の建造物であることを知らず、
ただの自然の丘だと信じていた。

1594年、スペインの植民地主義者によって、
エストラ・セニョーラ・デ・ロス・レメディオス教会(Iglesia de Nuestra Señora de los Remedios)
と呼ばれる教会が建てられた。

この教会は、サントゥアリオ・デ・ラ・ビルヘン・デ・ロス・レメディオス(救済の聖母の聖域)
としても知られ、
今でもチョルーラの
大ピラミッドを訪れる人々の
目に触れることができる。

遠くから見ると、チョルーラの大ピラミッドは教会のある自然の丘のように見える。( cc by sa 2.0 )

大ピラミッドの再発見

チョルーラの大ピラミッドが
再発見されたのは20世紀初頭のことである。

1910年、当局は大ピラミッドの麓に
精神病院の建設を始めた。
その時初めて、「自然の丘」が
古代のピラミッドの
本拠地であることが判明したのだ。

メキシコ、プエブラのチョルーラの大ピラミッドで発掘された祭壇のパティオ。( cc by sa 4.0 )

その後、考古学者による
調査と発掘が行われた。
1930年代には、ピラミッドの内部を
調査するためにトンネルが作られた。
その結果、全長8km(4.97マイル)にも及ぶ
通路網が発見された。
現在、これらのトンネルは、
ピラミッド建設の様々な段階を
見学することができる。

チョルーラの大ピラミッドまたはトラチフアルテペトル(「人工の山」)の奥深くで発掘されたトンネル。

チョルーラの大ピラミッドで発見された
もうひとつの考古学的発見は、

"Los bebedores"(酒を飲む人々)と呼ばれる壁画である。( Tempo Ameríndio )

チョルーラの大ピラミッドが
有名であるにもかかわらず、
チョルーラの街は
 "驚くほど無視された場所 "であると
指摘されている。
しかし、世界の多くの古代遺跡が
毎年訪れる観光客の量によって
過度の負担を強いられているため、
ピラミッドの保存という点では、
これは実は良いことなのかもしれない。

画像はイメージです:メキシコ、プエブラのチョルーラ大ピラミッド遺跡の一部。写真出典:Diego Delso/CC-BY-SA 3.0ディエゴ・デルソ/CC-BY-SA 3.0
撮影者: Ḏḥwty

 

 

カラスの守り神レイブンとブリティッシュ・コロンビア先住民の口承伝承

アリソン・マイヤー /ロブ・リッチ
2010年6月24日
https://www.atlasobscura.com/articles/ravenoraltraditionbccontest

鬱蒼とした森が霧の立ち込める
岩の海岸を縁取る太平洋岸北西部では、
動物の霊の話はよくある。

鴉(カラス)のキャラクターは、
ブリティッシュコロンビア州
先住民の口承伝承では、特に中心的な存在である。

創造者であると同時に
トリックスターとしても描かれるカラスの活躍は、
ツィムシャン族、ハイダ族、
ハイルツク族、トリンギット族、
クワキウトル族の
何百もの物語で語られている。

カラスは、凍てつく北極から灼熱の北アフリカまで、
驚くほど多様な気候で生き延びるが、
ブリティッシュ・コロンビアに見られるような
森林の多い海岸を好む。

適応力に加え、驚くほど知的で、道具を使いこなし、
人間の声を含むほとんどすべての
音を真似ることで知られている。
これらの鳥と同様、
神話のカラスも賢く機知に富んでいる。
ある物語では世界の創造主であり、
次の物語ではいたずら好きで
大食漢のトリックスターに変身する。

口承物語は長く寒い冬を埋めるのに役立ち、
ダンスや儀式にも取り入れられた。
そのひとつが変身仮面である。
大きな機械仕掛けの仮面で、
彫刻された人間の顔を
動物の下に見せたり隠したりする。

カラスはしばしばシェイプシフターと表現され、
ダンサーたちは仮面を開閉することで
鳥から人間へと変化し、
物語の重要なポイントで変身することができる。

ある創世神話では、
レイブンは浜辺で見つけた貝殻から
最初の人間を誘い出し、
別の神話では油のボールから太陽を作り出した。
またある神話では、
レイブンは粘土から人間を作り出し、
氷河期を思い出させるために
10匹目の熊をすべて白熊にした。

ハイダ族の物語では、
レイブンは水に覆われた世界を飛び回って
空腹になり、
空の国に行って酋長の娘の赤ん坊の身代わりになる。
夜になると、村人から片目ずつ抜き取って食べる。
半盲の空の民によって地上に追放された彼は、
祖父のカモメに引き取られ、
くちばしで割って海に投げる石を与えられる。
この破片がハイダ・グワイとなる。

「カラスと最初の男たち」ビル・リード作、人類学博物館、UBC、バンクーバーブリティッシュ・コロンビア

ほとんどの物語において、
150以上の島々からなる
ハイダ・グワイ諸島は、時が始まり、
人々が初めてこの世界につまずいた場所である。
レイブンはほとんどいつもそこにいる。

現在のハイダグワイでも、彼はそこにいる。
島々に点在するトーテムポールからは
カラスのくちばしが突き出し、
家々の正面にはカラスの横顔が描かれている。

諸島の最南端に位置する
グワイ・ハーナス国立公園保護区と
ハイダ・ヘリテージ・サイトには、
1万年以上前から人類が定住しており、
その痕跡は遺体安置用のポールや
カヌーの上陸地点の輪郭、
コケに覆われた丸太造りの住居跡などに
刻み込まれている。

レイブンを描いたものを含むトーテムポールは、
博物館に運ばれることなく
土の中に放置されている。
霧に包まれた浜辺には、
今も古代の神秘が残されている。
レイブンのように砂浜を歩けば、
貝殻の中でつぶやく声が聞こえてきそうだ。

https://spiritsofthewestcoast.com/collections/the-raven-symbol

いたずら好きで好奇心旺盛なカラスは、
北米西海岸
(パシフィック・ノースウェスト・コースト文化)において多くの重要な役割を担っている。

カラスは創造、変容、知識、威信、 
そして自然の複雑さと  
真実の微妙さを象徴している。
また、未知なるものを象徴し、
人はそれぞれ違った方法で

世界を見ていることを示す。

賢明な長老たちは、
目に見えるものが真実とは限らないことを
知っていたため、
カラスはしばしばビジョンで
真実を明らかにするよう求められた。

北米西海岸の多くの人々は、
カラスを創造主へのヘルパーと呼び、
宇宙の創造主からのメッセージは
カラスの翼の中に封印され、
カラスの知識を最も必要とする
家族にのみ解放されると信じている。
カラスは遠距離ヒーラーであり、
「秘密の番人」として知られている。

 

カラスは、私たちに
危害を加える可能性のある秘密の
真実を暴くことで、
私たちの生活を助け、
私たちを健康な状態に戻してくれる。
レイブンは悪用された場合にのみ恐れられる。

カラスのシンボルとファーストネーション

ハイダ族北西海岸先住民の子孫の多くは、
さまざまな氏族に属するだけでなく、
レイブン・クランか
イーグル・クランのどちらかに属しています。
母親がどちらの氏族に属していたかによって、
その所属が決まることが多い。

ノースウエスト・コーストの 
多くのコミュニティでは、
レイブンとその数々の功績についての
物語が語られています。 
最も一般的な話のひとつは、
カラスが太陽、月、星の形をした
光を盗んだというものである。

レイブンは赤ちゃんに変身して
光の隠し場所を突き止め、
それを大きな曲げ木の箱に入れて
家に保管していた年老いた酋長から
盗んだという話が多い。


レイブンはその箱を持って

家の煙穴から逃げ出した後、
太陽と月と星を空に置き、
すべての生き物が楽しめるようにした。
もともと白い羽を持っていたレイヴンは、
光とともに煙の穴を飛び越えた後、
羽が黒くなり、今日まで黒いままだった。

ハイダ族は、レイブンが 
ビーバー族から鮭を盗んだことを伝えている。
レイブンは再び酋長の赤ちゃんに変身し、
ビーバー族が他のすべての生き物から
サケを隠している場所を突き止めた。
何年もビーバー族と暮らした後、 
彼はついにビーバー族が鮭を
湖に流れ込む小川に隠していることを
突き止めた。

 
それを知ったその日の夜、
彼はレイブンに戻って 
小川と湖を絨毯のように巻き上げ、
太平洋西海岸を飛び回って
ハイダグワイに戻った。
サーモンがたくさんいる小川と湖はとても重く、
彼は一度に短い距離しか
飛ぶことができなかった。
木があればどこでも止まって休んだ。
ビーバー族は彼を止めるために
ビーバーに姿を変えた。
彼らはレイヴンが立ち止まる木を齧り、
そのたびに鮭と水が逃げ出し、
国中に鮭の大河ができた。

もうひとつのハイダ神話は、
「盲目のオヒョウ漁師とくちばしの折れたカラス」の物語である。
この神話では、
盲目の男が一人でカヌーに乗り、
釣り糸の手入れをしている。
カラスは漁師をからかおうと、
釣り糸を何度も引っ張る。

漁師は突然釣り糸を引っ張り、
カラスのくちばしに引っかかって
釣り糸が切れてしまった。
何が自分の釣り針にかかったのか
わからなくなった盲目の男は、  
娘に頼んでお札を棒にさして
家の上に上げてもらった。
恥ずかしくなったレイブンは海から顔を出し、
くちばしを顔に付け直そうとしたが、
滑ってあごに付いてしまい、
さらに恥をかいた。

レイブンは、北西海岸の神話と
芸術において最も重要な生き物の 1 つです。
彼は、多くのコミュニティや
北米北西海岸沿いの先住民族にとって、 
力強い文化的中心人物であり、象徴です。
紋章としても守護霊としても。

カナダの先住民族は、埋葬地や遺跡などの神聖な場所、生活の場所さえも失っている

BC州山火事による先住民の文化的損失を嘆く

ジェイソン・ピーターズ - CBC News
2023年8月24日
https://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/first-nations-wildfires-cultural-losses-1.6945729

2023年6月、ドニークリーク山火事は
BC州史上最大となった。
同州北東部、プロフェット・リバー先住民族
ドイグ・リバー先住民族
ブルーベリー・リバー先住民族
伝統的テリトリー内に位置する。
(BC州山火事サービス)
ファースト・ネーションによると、
ブリティッシュ・コロンビア州では
これまでで最も破壊的な山火事が発生し、
彼らのコミュニティに
壊滅的な影響を及ぼしている。

物理的な構造物だけでなく、文化や伝統にもだ。

今年の7月18日までに、
BC州ではすでに
14,000平方キロメートル以上の
土地が燃えており、
2018年の13,500平方キロメートル強の
記録を更新した。

7月18日までに発生した火災のうち、
最も大きなもののひとつが、
BC州史上最大規模の
ドニー・クリーク山火事である。

BC州北東部、
プロフェット・リバー・ファースト・ネーション、
ドイグ・リバー・ファースト・ネーション、
ブルーベリー・リバー・ファースト・ネーションの
伝統的テリトリーで発生し、
現在も燃え続けている。


先住民族によれば、
ドニークリーク火災による文化的破壊を
定量化することは不可能であり、
現在オカナガン、シュスワップ
フレーザー・キャニオンでも
同様の火災が発生している。

ドニー・クリーク火災で
焼け野原となったトラッチ・バレーの
上に立つプロフェット・リバー先住民の
ティンバー・ビッグフット。

「州内のコミュニティには長い歴史があり、
その文化の中には異なる文化遺跡があります」と、
ファースト・ネーションズ緊急サービス協会の
火災専門家であるヴィック・アップショー氏は、
水曜日にCBCの『The Early Edition』で
グロリア・マカレンコ氏と対談した。

「それらは儀式のための神聖な場所であり、
建造物もありました。
私たちの祖先の中には、
異なる文化的な方法で
そこに埋葬されている人もいます。
山火事が起きると、
これらのものはその影響を受けやすく、
破壊され、永遠に取り去られ、
時が経ち、忘れてしまうものもあります。」

ドニー・クリーク火災は「壊滅的」だった

Prophet River First Nationの
土地・環境担当マネージャーである
ティンバー・ビッグフット氏は、
6月下旬にCBCに対し、
ドニークリーク火災は
物理的にも文化的にも「壊滅的」な
破壊をもたらしたと語った。

ビッグフットによれば、
炎は罠師の小屋、罠のライン、
狩猟場、釣り場、埋葬地、遺跡、
伝統的な小道、
儀式の燻しに使われる希少な
ダイヤモンド・ヤナギなどを破壊したという。

ベリー類や、ビーバー、
オオカミ、ヘラジカなど数え切れないほどの
動物も炎に焼かれた。

「森が失われただけでなく、
多くの動物が命を落とし、
その動物たちが苦しんでいることを知ると、
とても心が痛みます」とビッグフットは語った。

2023年8月17日、
BC州ウェストケロウナで発生した
マクドゥーガル・クリーク山火事。
(Winston Szeto/CBC

オカナガン、シュスワップ
フレーザー・キャニオンの火災が
ファースト・ネーションに影響

オカナガン地方では、
ウェストバンク・ファーストネーションが
先週ウェストケローナを襲った
マクドゥーガル・クリーク火災の
影響に対処している。

シュスワップでは、
ブッシュ・クリーク・イーストの火災が
最も懸念されている。
コロンビア・シュスワップ地方管区は、
この火災により11,000人が
避難を余儀なくされていることを確認した。

フレイザー・キャニオンでは、
リットン先住民族が山火事で
3年ぶり3度目の危機に瀕しており、
今回はスタイン・マウンテン火災が原因で、
火曜日に州内の複数の保護区が避難した。

(スタイン・マウンテン火災:8月17日)

文化的焼畑と規定焼畑が重要視されている

BC州先住民林業評議会は、
この記録的な季節に発生した
山火事による被害、
そして文化や伝統の喪失を軽減するための
さまざまな対策を検討している。

同組織のCEOであるレナード・ジョーは
CBCに対し、その最初のステップとして、
森林管理に文化的な野焼きを
再び取り入れることで、
土地、薬、食料をよりよく
保護できるようになると語った。

「もうひとつは、山火事後の復旧作業に
どう取り組むか、そしてその作業を通して、
何が影響を受け、どのような作業が必要かを
検討することだと思います」とジョーは語った。

ジョーは、ファースト・ネーションの
文化や価値観、法律を取り入れた
政策や法律を策定する作業は、
ファースト・ネーション政府と
州政府との「一対一の協力」を通じて
行なわなければならないと述べた。

「私たちが今置かれている状況や環境は、
かつて経験したことのないものです」とジョー氏。

「そして、皆が協力し合うことが
必要だと認識し始めています。」

◆著者について

ジェイソン・ピーターズは、
BC州プリンスジョージ
(Lheidli T'ennehの領土)を拠点とする
ジャーナリスト。

 

8月1日

8月7日

8月18日

ブッシュ クリーク イーストの山火事が
ブリティッシュコロンビア州
シャスワップ地域の地域社会の領土を破壊し、
残り火が降り注ぐのを眺めました。
金曜日の記者会見で兄弟の隣に立ったトンマは、
火災を戦闘地域に例えた。
「私たちはこれが
限界かもしれないと思っていた。」と
彼は記者団に語った。

BC州野火局は、ブッシュクリーク火災では
10年間に観察された中で
最も激しい火災の一つであり、
火災はわずか12時間で
20キロメートルまで燃え広がったと述べた。

金曜日、コロンビア・シャスワップ地区の
当局者は、山火事により少なくとも
168の建造物が焼失または損傷したと発表した。
クラックス・テ・セクウェペムクレク・ファースト・ネーションでは、
トンマの家を含む31軒の家がこの火災で失われた。 

「我々は多くを失った」と彼は言った。
「31軒が最新の数だったと思います。
もっと多いかもしれない。
私たちの前に課せられた任務は
気が遠くなるようなものですが、
同時にコミュニティの精神を示しています。」

カナダ先住民サービスによれば、
ブリティッシュコロンビア州には
8つの先住民が避難命令を受けており、
14の先住民が避難勧告を受けている。

先住民族会議は、
ブリティッシュ・コロンビア州と
ノースウェスト準州の山火事との
闘いに対処するために、
あらゆるレベルの政府からの
さらなる支援を求めている。
ブリティッシュ・コロンビア
先住民族会議の地域責任者
テリー・ティーギー氏は、
多くの先住民コミュニティにとって、
これらの悲劇後の再建プロセスは
より緊急に取り組む必要があると述べた。

「これは、多くの先住民族
災害後の復興時に経験する行政や
官僚の悪夢を物語っていると思います」
と彼は語った。
「州や連邦では、地域社会に資金を
適切に届けたり、官僚主義を排除して、
やるべき仕事をできるようにしたりする
という点で、官僚的な悪夢が存在する。」

金曜日の会見で、CSRDの広報担当者は、
カナダ第1特別委員会のメンバーが
引き続きこの地域の建造物への
被害評価を行うと述べた。

トンマ氏は、今後数週間にわたって
インディアン・バンドメンバーがこの地域を
ツアーできるようになるだろうと語った。
「私のインディアン・バンドは立ち直る力がある。
私のメンバーが多くのことを経験し、
今もここにいることを私たちは知っているし、
これからもここにいるだろう」と彼は語った。 

 

 

山火事と生きていく:発火性植物の5つの驚くべき適応

メリッサ・ペトルッツェロ
ファクトチェック
ブリタニカ百科事典編集部

https://www.britannica.com/list/5-amazing-adaptations-of-pyrophytic-plants

燃え盛る地獄の炎が、
あなたの方向へ急速に移動している。
あなたは猛烈な暑さを感じ、
空気は煙で詰まっている。

シカ、ヘビ、鳥があなたの横を通り過ぎ、
昆虫でさえも逃げようとする。
できることならあなたも逃げたいところだが、
あいにくあなたは植物だ。

火はあなたの葉をなめ始め、あなたは待つ...。
焼けた森の光景を好む人はいないが、
火は多くの生態系の機能にとって重要であり、
多くの植物はこのような火が
起こりやすい生息環境に特別に適応している。
山火事に直面しても植物が生き残り、
さらには繁栄する
驚くべき方法をいくつかご紹介しよう。

生態系の継承

画像は、1988年の
イエローストーン国立公園火災後、
親株の炭化した残骸のそばで
成長するロッジポールパインの苗。

アメリカ国立公園局、写真:ジム・ピーコ

おそらく最も驚くべき火への適応は、
種が芽を出すために
火を必要とする種があるということだろう。
ロッジポール・パイン、ユーカリ
バンクシアなど一部の植物は、
樹脂で完全に密閉された鋸歯状の球果を持つ。

これらの球果は、
火の熱で樹脂が物理的に溶けた後でなければ、
開いて種子を放出することができない。
その他、多くの低木や一年草を含む種は、
種子の休眠を破るために、
煙や炭化した植物体からの
化学的シグナルを必要とする。

これらの植物の中には、
そのような化学物質の存在下でしか芽を出さず、
山火事で目覚めるまで何十年も土壌の種子バンクに
埋もれたままになっているものもある。

アロエアロエ属)の葉と花。
Graphic House/Encyclopædia Britannica, Inc.

一部の植物は、樹皮や枯葉、
湿った組織による巧みな断熱層によって、
山火事から生き延びることができる。
カラマツやジャイアント・セコイアなど、
ある種の樹木は
驚くほど厚い難燃性の樹皮を持ち、
重要な組織にダメージを与えることなく
直接燃やすことができる。
(ただし、激しい火災にはいずれ屈する)

また、オーストラリアのグラスツリーや
南アフリカアロエ(写真)
などの植物は、
茎の周りに枯れた葉を密生させ、
山火事の熱に対する
断熱材の役割を果たしている。

さらに、一部の植物は湿った組織を持ち、
保温と火災時の脱水からの保護を兼ねている。

この戦略は、芽を乾燥から守るために
コルク状の組織を持つプロテアの
多くの種で一般的である。

萌芽

オーストラリアのゴムの木(ユーカリ
Ron Dorman-Bruce Coleman Inc.

山火事によって
多くの生物が死傷するのは避けられないが、
多くの植物は山火事で被害を受けた場合、
再出芽するように適応している。

ユーカリ属の数種を含め、
こうした再出芽植物の中には、
幹の樹皮の下に保護された
特殊な芽を持っているものがある。
樹木が燃やされると、この芽が顔を出し、
新しい葉や枝を作り出す。

その他の植物は、
再成長を地下構造に頼っているため、
地上部が破壊されても「復活」することができる。
バンクシアの仲間やその他の低木には、
茎の基部が膨らんだり、
リグノチューバーと呼ばれる
地下の木質器官があり、そこから新芽が出ることがある。

同様に、多くの草本植物には、
肉質の球根、根茎、その他の種類の地下茎があり、

火災の後、
そこから緑の芽が急速に発達する。

多産な開花

グラスツリー
© Hans Reinhard/OKAPIA/Photo Researchers

火山灰で肥沃化した土壌を利用するため、
植物の種類によっては、
火事の後に盛んに花を咲かせるものがある。

オーストラリアのグラスツリー(写真)は、
この適応のよく知られた例である。
その目立つ花穂は、
その植物が火災を生き延びたことを示す
最初の兆候であることが多く、
温室で栽培される個体には、開花を促すために
しばしば吹き矢が当てられる!

火に刺激された他の種は、
燃えてから数週間後に一斉に花を咲かせ、
色とりどりの花が咲き乱れる
青々とした風景を作り出すことがよくある。
これは、火災後の
土壌の種子バンクから急速に出現する
一年草に特によく見られる。
ファイヤーリリー属(Cyrtanthus)の
いくつかの仲間は、火災後にのみ開花し、
自然の山火事に対して極めて速い開花反応を示す。
ある種は、火災後わずか9日で
開花期を迎えることさえある!

ストーンパイン

© Martin Ruegner-Photographer's Choice RF/Getty Images

樹冠が高く、下枝がほとんどない樹種は、
山火事の被害を軽減するために
多くの樹種が採用している戦略である。
葉や重要な成長組織を
炎が届くはるか上方に保つことで、
これらの樹木は多くの場合、
幹にわずかな焦げを残すだけで
火災を生き延びることができる。

この適応は、多くのユーカリ種だけでなく、
いくつかのマツ種にも共通して見られる。

ポンデローサ・パインなど一部の樹木は、
「自己剪定」機構を進化させ、
枯れ枝を容易に除去して
燃料源となる可能性を排除している。

 

参考
https://www.nationalforests.org/our-forests/your-national-forests-magazine/how-trees-survive-and-thrive-after-a-fire#:~:text=Thick%20bark.,frequency%2C%20low%2Dintensity%20fires

命をかけてシリアのパルミラ遺跡の美術品を守った考古学者、ハレド・アル=アサード

By ヤズミン・ナバーロ
2021年8月30日
https://www.sdpnoticias.com/estilo-de-vida/khaled-al-asaad-el-arqueologo-que-se-nego-a-revelar-la-ubicacion-de-un-tesoro-y-fue-torturado-y-decapitado-por-el-isis/

2015年の8月18日、

シリアの考古学者ハレド・アル=アサドは、
パルミラに埋蔵された財宝の場所を
明かすことを拒否し、
ISIS(イスラム国)に拷問され、斬首された。

ハレド・アル=アサードは、
ISISに拉致され拷問を受けながら
1ヶ月半を過ごした後、
2015年8月18日に殺害された。83歳だった。

この考古学的財宝とその他の古美術品は、
歴史的なパルミラ掌握の際に
保護されており、
ハレド・アル=アサードはその所在を
明かすことはなかった。

報復としてISISは、
考古学者が40年間働いていた
パルミラ博物館の中庭で
ハレド・アル=アサードの首をはねた。

考古学者ハレド・アル=アサードの遺体は、
パルミラ修復の際に
彼が監督を担当していた柱のひとつに吊るされた。

ハレド・アル=アサードは5カ国語、
さらに6つの古代語を話した。
生前、いくつかの国から
居住権と市民権のオファーがあったが、
考古学者はシリアを離れることを拒否した。

考古学者ハレド・アル=アサードの遺体

考古学者ハレド・アル=アサードの遺体が
2021年初頭、パルミラの東10キロにある
カフルール地区で発見された。

ハレド・アル=アサードの遺体は、
パルミラの考古学的財宝を
命がけで守った人物であることを確認するため、
DNA鑑定が行われた。

「私はパルミラ出身で、
たとえ殺されてもここに残る。」

考古学者ハレド・アル=アサードが
誘拐されたときの言葉である。

考古学者のハレド・アル=アサードは、
古代都市の考古学的遺跡の認定と
その復元を得るために精力的に働いた。

ハレド・アル=アサードの活動のおかげで、
パルミラは1980年以来
世界遺産として認められ、
2013年にはユネスコがシリアの全遺跡を
「危機に瀕する世界遺産」のリストに加えた。

ハレド・アル=アサードがISISに連れ去られる少し前、ISISはイラクでも古代遺跡を破壊していました。

ISISによる破壊の危機に瀕するパルミラの古代都市

著者:シャーロット・アルフレッド
2015年5月15日
https://www.huffpost.com/entry/isis-palmyra_n_7291240

(2014年)↑

(2015年)↑

イスラム国の戦闘員は、2015年5月、
中東で最も重要な文化遺産の一つである
シリアの古代都市パルミラ郊外に到着した。
「ISがパルミラに入れば、遺跡を破壊するだろう」
と、シリアの考古物局長
マームン・アブドゥルカリム氏は
フランス通信に語った。
「もし古代都市が崩壊すれば、
それは国際的な大惨事になるだろう。」

パルミラはいくつかの
古代帝国の交差点に位置し、
イスラムギリシャ ローマ、
ペルシャの歴史を反映した 
1 世紀と 2 世紀の神殿や記念碑の
遺跡が数多くあります。

ユネスコは、この世界遺産
「古代世界の最も重要な
文化の中心地の一つ」であると述べている。

ISISとしても知られる「イスラム国」の戦闘員は、
イラクでの攻撃と並行してシリアを西に進軍し、
都市の制圧をめぐって政府軍と戦っている。

反政府活動家は
ニューヨーク・タイムズに、
パルミラの古遺物はすでに
4年に及ぶシリア内戦の全陣営の戦闘員によって
損傷を受けていると語った。

住民らは現在、過激派がこの場所を占領すれば
古代都市を破壊するのではないかと懸念している。

過激派組織はすでに、
ハトラ、ニムルド、モスルの
いくつかの古代遺跡など、
イラク支配下にある
一連の文化遺産を破壊している。

https://youtu.be/89gbbK1rONE

過激派は、宗教の名の下
偶像崇拝者を破壊すると主張し、
戦闘員がイラクの貴重な記念碑を破壊、
発砲、爆撃する映像を公開した。

しかし、イラク当局者らは、
このプロパガンダの裏で、
このグループはイラクとシリアでの
戦争資金を調達するために
工芸品を売り飛ばしているとも述べている。

写真集:砂漠の花嫁パルミラ

http://japanese.china.org.cn/travel/txt/2016-04/07/content_38194480_14.htm

ハワイの半神マウイの冒険譚と、自然にちなんだ伝説

古代ハワイの伝説は、
世代から世代へと語り継がれる
重要な文化であり、
ハワイ諸島がどのように形成されたか、
ハワイ諸島の名前の由来は何か、
ハワイ諸島はそれぞれ何について
記憶されるべきか、といった
重要な物語を浮き彫りにするものである。

このような伝説のいくつかは、
タヒチサモア、フィジー
ニュージーランド、その他の太平洋諸島でも
語り継がれており、
それぞれ独自のバリエーションを持っている。

古代ハワイアンは
自然との深いつながりを持ち、
神話や伝説を使って、
今日私たちが目にするものの多くが
どのようにして生まれたのかを
説明してきました。

ハワイには数多くの
魅力的な伝説がありますが、
私たちが最も楽しめるのは、
マウイ島にまつわる伝説です。

太陽を捕らえる

マウイは、母親のヒナが
毎日太陽が沈む前に仕事を
終わらせることができず、
日がどんどん短くなっていることに悩んでいた。

マウイは4人の兄弟に助けを求め、
こう言った。
「太陽を縄でとらえて、
もっとゆっくり動くように強制しよう。
自分の能力に自信を持ち、
兄弟たちの信仰のなさに驚いた彼は、
自分が森のあらゆる鳥に変身し、
人間に戻ったことを思い出した。

マウイは新たな希望と
兄弟たちの助けを得て、
ロープをねじって太陽の縄を作り始めた。
縄が完成すると、マウイと兄弟たちは
太陽が昇る場所に向かって東に歩き出した。

太陽を罠にかけ、
自由になろうともがいたマウイは、
もっとゆっくり旅をすることを
約束するよう要求した。
しかし、マウイは太陽を
常に恐れさせておくために、
その約束を無期限に封印する方法として、
罠を太陽に固定したままにしておいた。

空を持ち上げる

マウイが若かった頃、空はとても低く、
木々はしばしば空に絡まり、
葉はすべてなぎ倒され、
大地は闇に包まれていた。

空はまっすぐ歩ける高さではなかったので、
男も女もしばしば這って
移動しなければならなかった。
この状況を変えようと決意したマウイは、
カフナ(ハワイの司祭兼ヒーラー)を訪ね、
前腕に魔法のシンボルのタトゥーを彫った。
さらにマウイは老婆を探し、
彼女のひょうたんを飲み、
空を持ち上げるために必要な
大きな力を授かった。

大奮闘の末、マウイは天を
山々の向こう側に押しやり、
大海原の果てまで持ち上げることができた。
彼の努力は、すべての生き物、植物、
木々、そして人間が成長し、
自然の中で背伸びして歩ける場所を与えた。

暗い嵐雲がハレアカラの周囲に集まると、
マウイが雲を遠くへ飛ばして
二度と戻れなくなることを恐れて、
雲は長居をしないと言われている。

漁師として失敗し、
ヒナや兄弟たちから
大きな嘲笑を浴びたマウイは、
もう一度自分を証明しようと決心した。
マウイは冥界に赴き、
先祖の顎の骨を釣り針にするよう頼み、
母が飼っていた
神聖なアラエ鳥の群れを餌にした。

マウイは家族に自分を養い手として
認めてもらおうと決意し、
兄弟たちを説得してウルアとピモエを探しに
釣りに出かけ、
絶好のポイントにたどり着くまで
遠くへ遠くへと漕ぎ出した。

自分が作った顎の骨の釣り針で
鳥を釣り上げると、
マウイと弟たちは何かを釣り上げた。

釣り糸はどんどん強く引っ張られ、
釣り糸を掴みながら
カヌーを漕ぐのは至難の業だった。

しかし、マウイが
釣り上げたのは魚ではなかった。
崖に守られ、霧と虹に覆われた
緑豊かな山々、谷、ラグーンがある。
その島は、美と生活の場となるはずだった。

火の秘密の発見

生魚と野菜だけの
食生活を送っていたマウイは、
調理された食べ物と、
母親が直火で調理できることに憧れた。

兄弟と釣りをしていたとき、
マウイはハレアカラの頂上から
白い煙が上がっているのを目撃した。
その原因を突き止めようと
決心したマウイは、
クレーターの頂上に急行し、
到着するまでに年老いたアラエの雌鳥が
煙にまみれてそれを
隠そうとしているのを発見した。

翌日、雌鳥がまた火をおこすまで
ここにいようと決めたが、
雌鳥は彼の計画を見破り、
兄弟たちとカヌーに乗っている
彼の不在に気づいた。

しかし、マウイも注目した。
大きな人型の丸太を
兄たちと一緒にカヌーに入れることで、
自分が兄たちと一緒にいると
雌鶏に思わせることができたのだ。

マウイは、鳥たちが
薪となる棒や葉を集めるのを
じっと待っていた。
マウイは年老いた雌鳥の首根っこを捕まえ、
火をおこす秘訣を探ろうとした。
老鶏はマウイをだまそうと、
2本の水草の茎と2本の葦を
こすり合わせるように指示したが、
いずれも失敗した。

マウイは老鶏の首を締め上げると、
老鶏は必死に秘密を打ち明け、
ついにマウイにハウの樹皮と
ビャクダンの樹皮を集めて
こすり合わせる方法を教えた。

マウイは火の秘密を発見したが、
年老いた雌鶏の
頭のてっぺんに焼き印を押して、
羽毛がすべて
燃え尽きてしまうという罰を与えた。
これが、今日までアラエ鳥の子供たちが
皆ハゲ頭である理由である。

クナ・ロアの破壊

クナ・ロアは邪悪なウナギで、
マウイの母ヒナが
一緒に暮らそうという提案を
受け入れなかったことに腹を立てていた。

マウイに追い払われたにもかかわらず、
クナ・ロアはヒナを慕い、
自分が手に入れられないなら
誰も手に入れられないと決心した。

彼は彼女が住んでいた洞窟に現れ、
水を氾濫させて彼女を溺れさせようとした。
マウイは、ハレアカラの斜面から
洞窟の上に警告の雲があるのを見て、
彼女を助けるためにクナ・ロアをつかまえた。

部分的に浸水した洞窟に到着したマウイは、
魔法の斧でクナ・ロアを切り裂き、
溶岩石を投げつけて追い払った。

ヒナは日だまりの中で寝転んで喜んだが、
クナ・ロアは死んでいなかった。
クナ・ロアは畑でヒナに忍び寄り、
周囲の森を追いかけ回したが、
ヒナは近くのパンの木の上に逃げた。

彼女はマウイに呼びかけると、
マウイは彼女を見つけ、
ウナギを細かく切り刻んで
クナ・ロアを海に投げ捨てた。
ウナギの頭は魚に、尾はアナゴに、
胴体は海の怪物に、
そしてワイルク川に落ちた血は
淡水のウナギになったと言われている。

地上に不死を求めて

マウイは、地上での
数々の障害を打ち破り、
死に対する勝利を切望していたが、
祖先の一人であるヒヌイテポ
(生命の守護者とも呼ばれる)が、
永遠の生命を得ようとするマウイを
打ち負かすだろうと告げられた。

また、マウイの父は
新生児の詠唱の際にマウイを
死から守ることを忘れていたため、
マウイは必然的に死ななければならなかった。

マウイはそれを受け入れず、こう言った。
死は人間の尊厳を傷つけるものだ。
人間は、ケインの生命を与える
水に浸かって再び生まれ変わる月のように、
あるいは、毎日夜の穴に沈み、
朝には新たな力を得て昇る
太陽のように死ぬべきである。

兄たちが間違っていることを
証明するために、
彼は再び兄たちに
ヒヌイテポを克服するための助けを求めた。

彼はヒヌイテポの居場所を突き止め、
ヒヌイテポの怒りを覚まさぬよう
兄弟たちを鳥に変えた。
彼女の心臓を奪って
再び姿を現すまで黙っているようにと言い残し、
マウイは彼女の胃の中に入って
心臓を引き裂き、
永遠に彼女を滅ぼそうとした。

しかし、弟の一人の笑い声が
彼女を目覚めさせ、彼は殺され、
地球上の不死の望みは絶たれた。

彼の死後、マウイの妻は精霊や神々に復讐し、
マウイを偲んで可能な限り
多くの精霊や神々を滅ぼした。

ナウパカの花の伝説

ナウパカはハワイのビーチで
よく見られる植物のひとつで、
ユニークな外観の花を咲かせる。
花びらが半分欠けているこの花は、
古代ハワイの先住民が
恋人とはぐれた化身だと信じられていた。

ナウパカとして知られる美しい
ハワイの王女が悲しんでいることに
気づいた年老いた村人たちは、
彼女がカウイという漁師と
恋に落ちたことを話した。
ハワイの伝統では、
王族が平民と結婚することは
固く禁じられていた。
二人は助けを求めて遠く離れた
ヘイアウ(寺院)のカフナを訪ねた。

二人は一緒になれないと知りながら、
最後にもう一度抱き合い、
彼女は耳から花を取って半分に裂いた。
近くのナウパカの植物は
二人の悲しみを見て、それ以来、
半分ずつ花を咲かせるようになった。

ワイアナパナパの赤い水

ポポアラエアという名の
若く美しい王女が、
カカエという年上の
力強い戦士長の目に留まり、妻となった。
カカエは嫉妬に狂い、
妻が浮気しているのではと疑い、
妻を殴って惨めな生活をさせた。
カカエの邪悪なやり方から逃れたくて、
ポポアラエアは女友達のひとりと一緒に
ワイアナパナパの溶岩洞窟に逃げ込んだ。

ポポアラエアの行方を捜していたカカエは、
水溜りに二人の姿が映っているのを見つけ、
部下に二人を殺すよう命じ、
洞窟の岩を血で黒く染めた。
今日、ある夜になると水が赤く見えるのは、
殺された姫の血を思い出すためと、
赤いオパエウラ(小さなエビ)が
集まってくるためではないかと言われている。

https://mauikayakadventures.com/maui/legends-of-maui/