アイルランドの夏の豊穣祭ルグナサード:収穫期のはじまりを祝う

時の祭り:ルグナサード・ラマス

ミマメイディル
2023年7月10日
Fêtes du Temps, Frey, Freyfaxi, Freysblöt, Hlalmaesse, Lammas, Larsok, Lugh, Lughnasadh, Primstav, Sif, Thor, Vaettir, Wotan

ルグナサード(Lughnasadh)は、
夏から秋への移行と収穫期の到来という、
年間サイクルの重要な転換期を意味する。

この祭りは、
伝統と儀式に彩られた象徴的な節目である。
ルグナサードは、
祖先の知恵と自然の力を体現することで、
複雑な象徴的シンフォニーを生み出します。

年間祝祭サイクルの中心をなす
4つの季節の祝祭は、
人々が普遍的な生活のさまざまな側面と
一族の活動に敬意を払う特別な瞬間である。

サムハイン、インボルク、
ルテイン、ルグナサードを含む
これらの祝祭は、
それぞれの季節の特徴を際立たせている。

11月1日に祝われるサムハインは、
家族と一族の連帯の価値を強調する。
種まきと狩猟の季節である秋には、
一族の結束と協力が最優先される。

そのため、一族が集まり、
家族の絆を深めるには絶好の機会なのだ。

2月2日に行われるインボルクは、
浄化と回想の祭りである。
冬はその性質上、後退と再生の時期である。

この祭りは、春の到来を前に、
家庭内を徹底的に浄化することを象徴している。

5月1日に祝われるベルテインは、
若さ、成長、愛への賛辞である。
再生と開花の季節である春は、
若者同士の競争が前面に出る時期でもある。

成長と健全な競争の時期であり、
愛が花開く時期でもある。

最後に、
8月1日に祝われるルグナサードは、
夏の季節を告げる祝宴の日であり、
最初の収穫の果実を味わう時期である。

この祭りは成熟と収穫に関連しており、
人生で蒔いた種を刈り取る44歳を象徴している。

ルグナサードは成熟期を表し、
人生で蒔き、育ててきたものを
物質的に刈り取る時期であり、
成熟と収穫という概念によって
示される時期である。

リュー(ルー)神は、
アイルランドのテルタウンに残る
母テールティウの墳墓を偲んで
この祭りを制定したと言われている。

リューの母は、
アイルランド全土を開墾して
農業の準備を整えた後、過労で倒れた。

テールティウはリューにとって
単なる母親ではなく、
母なる大地の一面を表す偉大な女神なのだ。

この祭りは、(リューの)母なる神が見守る中、
ゲーム(競技)やその他の手段で
すべての問題を解決する大集会の場であった...

便宜上、
この祭りは収穫と関連付けられていた。
なぜなら、
母なる大地を象徴するテールティウは
紛れもなく収穫を生み出す存在だからである。

しかし、彼女に敬意を表して
この祭りを導入したのはリューであり、
収穫のためではなかった...。

この祭りの名前は、
ヨーロッパの多くの町や
ケルトの部族の名前にその影響が見られる
リュー神を指している。
リューは多面的な神とされ、
主権や魔術と強く結びついている。

つまり、リューはヴォータン神と
多くの共通点がある。
ヴォータンのように、リューは
魔術に関する膨大な知識で有名である。

また、カラスと結びつけられ、
魔術を実践し、
ある儀式の際には片目を閉じて
描かれることも多い。

リューはヴォータンと同じく
詩人の守護聖人であり、
軍隊を戦いに導き、槍を武器とする。

さらに、北欧神話の豊穣と
収穫の神であるフレイアは、
収穫の始まりを告げる供え物の儀式である
フレイスブロート(Freysblöt)で讃えられる。

https://shirleytwofeathers.com/The_Blog/pagancalendar/freyfaxi-freys-blott/

収穫を助けるトールと、
その妻で金色の髪が熟した
麦畑を連想させるシフもこの祭りで祀られる。

フレイスブロートの期間中、
収穫された小麦の最初の一束は、
神々と大地の精霊であるヴァッティル(vaettir)に
敬意を表して縛られ祝福される。

この最初に収穫された
小麦で焼かれたパンは、
共同体全体で分かち合う供え物となる。

かつて、このお祝いは
私たちの祖先にとって極めて重要なものだった。

不作は冬の間に
多くの死者を出すことにつながるからだ。

今日、私たちはフレイアに敬意を表し、
私たちが享受してきた
すべての豊作に感謝する。

特に困難な年には、
思い切った犠牲が払われた。

私たちはフレイアに敬意を表し、
庭や畑で収穫したごちそうを食べる。

古代の祝祭について、
私たちが知っていることは断片的である。
例えば、フレイファクシは、
プリムスターヴに記されている
8月10日のラルソクの日と
ほぼ一致する現代の創作である。

歴史的には、この日に
冬の間のミルクを確保するための
干し草の貯蔵を終えるのが通例だった。

ラルソクは収穫祭と
解釈されることもあるが、
聖ローレンスの祭りと関連している
可能性を指摘する研究者もいる。

イギリスでは古くから、
豊作を神に感謝する収穫祭が祝われてきた。

地域の伝統にもよるが、
これらの儀式は9月か10月に行われる。

しかし、初期の収穫祭は8月1日に行われ、
ランマス(Lammas)、「パンのミサ」、
またはハラルマッセ(Hlalmaesse)
として知られていた。

これは収穫期の始まりを告げる儀式である。
ランマスでは、
新しい収穫で作られたパンが持ち込まれ、
収穫期の始まりを象徴した。
この儀式は夏至と9月の彼岸の中間に行われ、
農業のサイクルの重要な段階を表していた。

ルグナサードはアイルランド
公式な祭典でもあり、
異教にルーツを持つゲール語の祭典でもある。

歴史的にアイルランドスコットランド
マン島で行われてきたルグナサードは、
宗教的儀式、儀式的競技、宴会、
ロマンチックな出会い、
交易のために大集団が集まる。

前年の蓄えを使い果たし、
新しい収穫の準備がまだ整っていない
農耕社会にとって、
この祭りは重要な時期に行われる。

スイスでも8月1日は祝日である。
ルグナサードは伝統的に
8月1日と関連づけられてきた。

しかし、ここ数世紀、
ルグナサードに関連する集会や祭りの多くは、
7月の最終日曜日か8月の第1日曜日という
近い日曜日に移った。

これは、天候が不安定であったことと、
収穫期が繁忙期であったため、
労働日を犠牲にすることが
難しかったためと考えられている。

いずれにせよ日曜日は休息日であったため、
その日に祝うことは理にかなっていた。

グレゴリオ暦に切り替わったことも、
この変更に影響したかもしれない。

最後に、ルグナサードは
ランマス(hlalmaesse)と
農業のテーマを共有している。

時が経つにつれ、
この2つの祭りは絡み合うようになり、
それぞれの要素を区別することが
難しくなっている。

ルグナサードは快楽の祭典と言われ、
感覚的快楽として知られる現象が祝われる。

そのため、宴会では骸骨が
客に付き添ってテーブルに着く。
快楽とは何だろうか。
それは私たちが何かから
引き出す光から生まれる。

誰もが、それぞれのレベルで、
神から光を、喜びを引き出している。
古い宗教では、
この世の喜びから活力を得るという考えを
洗練させたのはフレイだった。

また、ルグナサードの前夜には、
森を散歩し、森に入り、
道をたどる時だと言われている。
まさにその時、
小さな人々が姿を現すと言われている。
ゴブリン、エルフ、妖精、
ドワーフがそこにいる。

農作物、家畜、家、
その他すべての所有物のために、
魔法の保護を更新することの
重要性が強調される。

家々には、強力な守護のシンボルである
ナウディズの形をしたローワンの十字架が
ドアの上に吊るされて飾られることが多い。

ケーキはありあわせの材料で作られ、
野原や牧草地で食べる。

収穫を祈願する
自然の精霊への供え物として、
また家畜を助けてくれるよう
肉食動物に頼む供え物として、
小さな欠片を左右交互に肩越しに投げる。

ルグナサードの夜明けに、
私たちの祖先とその子供たちは
一連の儀式を祝う。
最初の穀物を荘厳に刈り取り、
そこから神に捧げ物をし、
高い場所に運び、埋葬する。

新しい収穫物とブルーベリーの食事で、
コミュニティ全体がひとつになる。
さらに、儀式的なダンスゲームでは、
女神をめぐる争いや
儀式的な戦闘が描かれることもある。

この複雑な儀式には、
丘の頂上に石の彫刻を施した頭部を設置し、
リュー/ヴォータン役の俳優が
その頭部に勝利することも含まれる。

祝祭は3日間続き、若い神リュー、
またはその人間の代理が祭りの先頭に立つ。

アイルランドでは、
この祭りのために多くの重要な山や丘に登る。
食べ物、飲み物、ダンス、民族音楽
ゲーム、デート、運動会、
スポーツ大会などが催される。
伝統によっては、
夏の終わりを告げるために、
全員が花を担いで丘を登り、
頂上に花を埋める。

ルナステインと呼ばれる
特別なケーキを作る伝統もあるが、
これはもともと神への捧げものだった。

いくつかの聖なる井戸を訪れ、
参拝者は井戸の周りを
太陽の方角に向かって歩きながら健康を祈り、
その後にお供え物
(通常はコインかクローティ)を置いていく。

最後に、牛を小川に導いて清める。
収穫した最初の果実を神々や精霊に捧げる。
麦の穂で人形を作り、
人や畑、家畜、財産を守るお守りとして使う。

8月は、人がパンを必要とするのと
同じくらい露を必要とする。
ランマス以降、トウモロコシは
昼と同じように夜も熟す。

結論として

先祖代々の祭りであるルグナサードは、
人間と自然との相互依存、
そして自然のサイクルを尊重することの
深い象徴である。

それは、大地からの贈り物に
感謝することの大切さを思い出させてくれる。

今日、この日を祝うにあたり、
私たちはこれらの伝統を思い出し、
古代の習慣の精神と意味を守りながら、
現代に適応させている。

これらの儀式や祝祭が、
私たちと自然とのつながりや、
自然と調和して生きることの大切さを
常に思い起こさせるものとなりますように。